5周年を迎えて

5年前の寒い冬、この静かな小金井公園エリアにてオープンを迎え、アンティークス・エデュコは今年6年目に入りました。

2012年3月11日はちょうど大震災の一年後で黙祷や追悼番組などが行われていた日でした。

よくこの日をオープンに選んだねという話もされましたが、古いモノや壊れたモノを再生するという自分たちの仕事としてはふさわしいのじゃないかと思った事を覚えています。

毎年どたばたでしっかりとした気持ちを書く事が出来なかったのですが、5年という節目を終えて少し思う事を書いてみようと思います。

オープン前から業界経験こそいろいろと積んでいましたが、当初は店舗運営などのビジネス的なノウハウをほとんど持ち合わせていなかった私たち、品物に対する思いや仕上げにだけは自信があったので、”良い品物があれば売れる!”という理想論的な考えのみでお店を始めました。

自然は多いけれど駅からも遠く、まわりにお店も少ないこのエリア、なんでこの場所でオープンしたのですか??と何回尋ねられたか分かりませんが、自然の多く落ち着いたこのエリアは商売をあまり知らなかった私たちにとっては、ただ創作意欲をかき立てる素晴らしい環境でした。

案の定、店舗運営はそんな簡単な物ではなく最初はいろいろと苦労しましたが (´・_・`) そんな中でも本当に沢山の方々に応援して頂きました。

オープンにあたっていろいろと面倒を見てくれた以前の職場の方々や親族・友人に周りの方々、業者関係の方々、商売や仕入れなどを親切に教えてくれた同業の先輩や、同年代の事業主の方々、オープン当初からいろんなカタチで応援してくれたお客さまに、お店を盛り上げてくれた協力者の方々、書ききれませんが本当に多くの方々、、、。

少しづつの年月を重ね、おかげさまで最近は近郊のみならず県外などの遠方からも沢山のお客さまに脚を運んで頂けるようになり、ありがたい事に最近は都会の集客のあるエリアからの出店のお誘いなども頂いたりしましたが、今のところは慣れ親しんだこの環境で出来る事を大事に続けていければと考えています。

私たちの仕事は、主に古い物を仕入れて手を加え、あらたな暮らしのシーンに送り出すという物です。

お店を知って頂くとともに最近は多くの方々から買取のご依頼を頂ける様になり、エデュコの思いや雰囲気を気に入って大事なお品物を託して下さるという話も多く頂き、本当にありがたく感じております。

そんな日々の中で常々感じているのは、モノがあふれている今の世の中では処分されていく物は本当に多く、その中で次世代に橋渡し出来るモノはとても少ないという事、日々大量に消費されていくモノの中で、私たちの様なアンティーク業者にとってもすくい取れるのはほんの僅かだという現実です。

アンティークや骨董品といわれるモノは、一般的にいわれる中古品・リサイクル品とは少し異なり、たくさんの目や手を経て磨かれて幾度となく選ばれ、洗練を経たモノだと考えています。

近年のシステム家具の様な便利さは無いですが、静かな佇まいは日々の暮らしに自然と馴染み、その色味や優しい手触りは生活にかけがえのない温もりを与えてくれます。

古い時代に作り手とそれを購入した方がいて、そこからいくつもの暮らしや時代を経て、国内を移動したり海を渡ったり、その間も使い手やディーラーなど何人もの人々の思いを受けて、さまざまな偶然を経て辿り着いたアンティークの品々。

変な話ですが、閉店後の明かりを落とした静かな店内にて家具の修理をしていると、何か自分が家具たちの意思によって直させられている様な、次の暮らしを待つ家具たちの気持ちが聞こえてくる様な事が何回かありました。

そんないろいろな物語を持った品々だからこそ、エデュコに来てくれたモノについては、出来る限り良いカタチで次の暮らしへの橋渡しを出来ればと考えています。

お客さまにとっても、そんな一期一会のモノとの特別な出会いを楽しんで頂ける様な、そんなお店であれたらと考えています。

そんな事を言いながらもまだまだ至らぬ点も多い私たちですが、、、どうぞ温かい目で見守って頂ければと思います。

これからもアンティークス・エデュコをどうぞよろしくお願い致します。

アンティークス・エデュコ スタッフ一同

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